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高度外国人材の採用・活躍に向けて

採用活動における方法・手続き

ビザと在留資格の違い

外国人の採用手続きにあたりまず理解しておきたいのは、ビザと在留資格の違いです。

ビザとは日本入国のための条件

ビザは査証とも呼ばれ、在外日本公館にて旅券つまりパスポートに発行されます。いわば入国時の推薦状のようなものです。
ビザには入国の目的や滞在可能な期間が記されており、許可された範囲であれば旅券所持者を日本に入国させても問題ないと示します。

在留資格は滞在時に根拠となるもの

在留資格は日本に入国し、外国人が日本に滞在する根拠となるものです。
在留とは、一定期間その地にとどまり住むことです。日本に在留する外国人は、日本に留まる理由を明示する必要があります。日本に滞在中、許容された以外の収入を伴う活動は原則として行えません。

つまりビザは日本への入国時に示すもの、在留資格はどのような目的で日本に留まっているのかを表すものです。外国人の採用にあたり、入社までに就労が認められた在留資格が必要となります。
両者を混同して「就労ビザ」と呼ばれることもあります。その場合日本で働くことを許可された在留資格を指すのが一般的です。
参照元:JETRO
https://www.jetro.go.jp/invest/setting_up/section2/page2/

就労を目的とした在留資格に関する基礎データ

日本で就労する外国人は、アルバイトや技能実習生も含めて平成30年10月末時点で約146万人に上ります。

就労目的で在留が認められる者 専門的・技術的分野の在留資格。
一般的に就労ビザとよばれる範囲のもの。
約27.7万人
身分に基づき在留する者 定住者、永住者、日本人の配偶者等。
在留中に制限がなく、様々な分野で報酬を受ける活動が可能。
約49.6万人
技能実習 技術移転を通じた開発途上国への国際協力が目的。 約30.8万人
特定活動 EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補者、ワーキングホリデー、外国人建設就労者、外国人造船就労者等。 約3.6万人
資格外活動(留学生のアルバイト等) 本来の在留資格の活動を阻害しない範囲内(1週28時間以内等)で、相当と認められる場合に報酬を受ける活動が許可。 約34.4万人

参照元:厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/gaikokujin16/category_j.html

就労目的で在留資格が得られるのは、下記のような専門的・技術的分野の範囲に認められた場合です。

「専門的・技術的分野」に該当する主な在留資格

在留資格 具体例
教授 大学教授等
高度専門職 ポイント制による高度人材
経営・管理 企業等の経営者・管理者
法律・会計業務 弁護士、公認会計士等
医療 医師、歯科医師、看護師
研究 政府関係機関や私企業等の研究者
教育 中学校・高等学校等の語学教師等
技術 ・人文知識 ・国際業務 機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等
企業内転勤 外国の事業所からの転勤者
介護 介護福祉士
技能 外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属等の加工職人等

参照元・表引用:厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/gaikokujin16/category_j.html

海外と日本にいる方の採用方法の手順と注意点

実際に外国人の採用手続きをするには、ビザや在留資格の面で日本人の採用とは手順が大きく異なります。

海外の場合

海外在住の人材を採用し日本に呼び寄せる場合は①在留資格認定を取得し日本での滞在許可を得て、⓶ビザを取得し日本への入国要件を満たすことが必要です。

【手続きの手順】

  1. 入国管理局に在留資格の申請を行なう
  2. 在留資格証明書の発行後、採用者へ郵送
  3. 現地日本大使館または領事館にてビザを申請
  4. ビザ発給後、来日・入社

入国管理局への申請は採用予定者の代理人として企業が行ない、ビザは現地にて採用予定者が手続きを行なうのが一般的です。
大使館や入国管理局など複数個所で手続きが必要となることから、来日までに少なくとも1~3ヵ月、場合によっては半年以上かかるケースも少なくありません。そのため余裕をもったスケジュールを設定し、手続きの遅れがないかを適宜確認しながら進める必要があります。

参照元:P10
https://www.jetro.go.jp/ext_images/theme/hr/data/data.pdf

国内の場合

採用予定者がすでに国内にいる場合は、日本での滞在許可の変更手続きが必要です。
例えば留学生の場合、在学中の在留資格は「留学」を目的としたものであることから、そのまま入社し就労してしまうと違法行為となります。入社までの間に在留資格を就労が認められるものに変更の手続きをしましょう。

【手続きの手順】

  1. 入国管理局に在留資格の変更申請を行なう
  2. 結果の通知・在留資格の変更許可
  3. 入社

在留資格の申請とは異なり、変更申請の手続きは原則採用予定者本人が手続きを行ないます。しかし採用企業側も手続きの流れを理解しておくことは必要です。必要に応じて提出書類の収集や入国管理局への問い合わせのサポートなどを行なえると、入社までの手続きもスムーズに進むでしょう。

参照元:P9 
https://www.jetro.go.jp/ext_images/theme/hr/data/data.pdf


人材採用等にかかわる文書サンプル

外国人材採用には、様々な書類の準備が必要になります。
モデル就業規則については、厚生労働省のウェブサイトに詳細が公開されています。

厚労省モデル就業規則ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/foreign/index.html

求人票

外国人材を採用するためには、求人票の作成が必要です。
一般的に、海外の求人票は、日本の求人票に比べ、非常に細かい点まで網羅されています。外国人材が興味を持つ求人票するために気を付けた方が良いことは、

  1. 英語、もしくは日本語と英語の併記で作成する
    日本語が読み書きできる外国人材に限定した募集であれば、日本語の求人票でも良いかもしれません。しかし、大半の外国人材はJLPT日本語能力試験のN1レベルには達していないことを考慮すると、英語での表記は非常に大切です
  2. 募集要項
    必要とするスキル、会社の経歴、企業説明、雇用後のポジションなどを記入します。正社
    職業安定法5条の3より、以下の7項目を求人票に記載します。
  • 業務内容
  • 契約期間
  • 試用期間
  • 終業時間、休憩時間、時間外労働、休日
  • 賃金
  • 加入保険
  • 募集者の名称

求人票雛形をダウンロード

オファーレター

企業側から内定者へ提示するのが「労働条件通知書(オファーレター)」です。
内定者が決まったら、なるべく早く労働条件通知書を作成しましょう。

労働条件通知書には、以下の内容を記載します。

  • 労働契約の期間
  • 就業場所
  • 業務内容
  • 始業・終業時刻
  • 休憩時間
  • 休日・休暇
  • 賃金の計算方法・締日支払日
  • 解雇を含む退職に関する事項

オファーレター雛形をダウンロード

在留資格申請・変更申請の手続きに必要な書類

在留資格申請や変更申請には、雇用する企業の状況を示す書類が必要です。
企業の状況によって4つのカテゴリーに分類され、それぞれ必要書類が異なります。

企業のカテゴリーと必要な書類

カテゴリー1
上場会社・国・地方公共団体等
カテゴリー2
前年分法定調書会計表が提出できる(源泉徴収税額が1,500万円以上
カテゴリー3
前年分法定調書会計表が提出できる(源泉徴収税額が1,500万円未満
カテゴリー4
その他
  カテゴリー1 カテゴリー2 カテゴリー3 カテゴリー4
在留資格変更許可申請書
写真(4㎝×3㎝)1枚
専門士/高度専門士の称号付与証明書類(採用予定者が専門学校卒業の場合)
四季報(写し)/日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)/主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)      
前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表    
労働契約書など    
履歴書、卒業証明書など採用予定者の学歴/職歴を証明する資料    
登記事項証明書    
会社案内等、事業内容を明らかにする資料(新規事業の場合は事業計画書)    
直近年度の決算文書(写し)    
開設届出書の写しなど法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする資料      
雇用説明書等(※提出は任意)

 

上記は在留資格変更手続きの場合ですが、在留資格申請手続きの場合、「在留資格変更許可申請書」が「在留資格認定証明書交付申請書」に、「パスポート、在留カード原本」が「返信用封筒」に変更となります。

参照元・画像引用:P9 https://www.jetro.go.jp/ext_images/theme/hr/data/data.pdf

国や公的機関の支援制度・相談窓口

外国人の雇用に関して、国や公的機関からサポートを受けることが可能です。

・東京出入国在留管理局 在留相談
新宿区の外国人在留支援センターにて、入管業務に関する相談を受け付けています。
事前予約制で、在留する外国人だけではなく雇用側の企業関係も在留資格や入管手続きについて相談可能です。
出入国在留管理庁
http://www.moj.go.jp/isa/support/fresc/fresc_2.1.html

・厚生労働省 外国人雇用管理アドバイザー
増える外国人労働者の雇用管理に事業主が適切に対処できるよう、各都道府県に外国人雇用管理アドバイザーを設置。労働契約や福利厚生に関すること、職場教育や配慮するべき点など実態に応じて相談ができます。
お近くのハローワークにて申し込み可能です。
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/anteikyoku/koyoukanri/index.htm

・地方自治体主体の外国人採用・定着支援事業
外国人の採用をサポートする制度やセミナー・イベントが各自治体において独自で実施されていることもあります。
例えば大阪府では、外国人留学生を採用したい府内の中小企業に向けて、セミナーや企業サポートを行なっています。
参照 大阪府:https://osakaglobaljinzai.com/

雇用や定着支援企業一覧

公的機関以外にも外国人採用を支援するサービスが存在します。適宜利用することでトラブルを避けながらスムーズな外国人採用が可能となるでしょう。

・主な外国人採用支援企業はこちらからご確認ください
高度外国人材雇用をサポートする支援企業情報

・ビザ・在留資格申請代行サービス
地方出入国在留管理局長に届け出をしている弁護士・行政書士であれば、ビザや在留資格申請を代理で行なうことが可能です。
ビザや在留資格申請に特化した事務所は全国各地に多数存在します。
参照:http://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-1.html

(出典)
厚生労働省 日本で就労する外国人のカテゴリー(総数 約146.0万人の内訳)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/gaikokujin16/category_j.html
JETRO 新輸出大国コンソーシアム事業 高度外国人材活用資料集
https://www.jetro.go.jp/ext_images/theme/hr/data/data.pdf

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